キングダム

ごきげんよう

 

2023/2/9

 

現場ハシゴした。1本目。

 

 

 

 

タイトル

舞台「キングダム」

会場

帝国劇場

 

 

 

ひょんなことから舞台「キングダム」を見に行くことになった。

 

帝国劇場は昨年12月のジャニーズ伝説ぶりだ。

1階は傾斜がゆるやかすぎてウーンなこともあるので席に着くまで心配だが、やっぱりザ・劇場!という雰囲気にテンションが上がる。

 

基本的に何か作品を見る場合、原作を予習あるいは復習をしたり、あらすじくらいは読んでから見ることが多いのだが、あまりにひょんだったので完全に丸腰で参戦。キャストしかわからない。

 

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今回観劇したキャスト。

 

全く何もわからない状態で見たが、ストーリーに置いていかれることなく楽しめた。

 

漫画原作のため、所謂2.5次元舞台でもあるが、かなり人間みのある舞台作品という印象だった。

目の前にキングダムの世界が広がってはいるが、漫画としての絵を再現するための映像や装置を使った演出などがあるわけではないため、キャストから生まれる音やパルクールのようなアクションなど、人力で厚みを増していくような感じがした。

 

特に印象に残ったのは殺陣。

キングダムでは殺陣のシーンが非常に多くあるが、武器と武器がぶつかり合う効果音などが一切なかった。しかし、殺陣自体のスピードも速く、キャストたちの集中した音が伝わってくるため、見劣りすることがなかったように思う。

作品によっては、わざとらしい効果音で現実に引き戻されることもあるので、生の舞台を見られることの良さが引き立っている気がして個人的には好きだった。

 

2.5次元舞台はミュージカルが多い。特にミュージカルだと、2.5次元舞台ならではの快感みたいなものが強いと思う。

アニメ化されている作品であれば、再現度を高めるために、たとえばキャラクターが決め技をする時にアニメと同じ効果音が使われていたり、映像がアクションに合わせて爆発したり、そこにかっこいい歌を歌ったりすることが多い。スピード感があって味付けがめちゃくちゃ濃くて、派手だ。

好みは分かれるとは思うが、その演出が自分の思い描く作品のかっこよさと合致するとかなり気持ちが良い。正直、あれでしか得られない快感がある。

かなり感覚的になってしまうが、そういった作品と比べると、キングダムは漫画原作っぽさというか、気持ちよさみたいなものは薄かった。

しかし、ストレートで、殺陣の効果音もつけず、生のオーケストラで堅実に積み重ねて作品の世界観を表現することによって、人間たちの生き様や歴史が作り上がっていく流れ、物語全体に重きを置いていて、心地の良い舞台だった。

シンプルさが際立つラストシーンもめちゃくちゃかっこいいと思う。

 

 

衣装もよかった。

衣装の中原幸子さんは、7ORDERの立ち上げ初期から衣装を担当していることがきっかけで知ったのだが、今はさらに幅広く活躍されている方だ。

舞台衣装だが、1キャラクターの、1人の衣服として存在している。このキャラクターが今この場にいたら、この生地で、この質感で、この動きをすると衣服もこう動く、というリアルを感じる。

好きでよく見に行くヒプノシスマイクの舞台のシリーズでも思うが、もともとある原作の2次元としての複雑なデザインと実際に存在している人間の3次元としての衣服の両立が素晴らしいと思う。

 

アクションも多く、ストーリーも濃いため、3時間あっという間に過ぎた。

こんなに2人の人間の激アツストーリーであるのなら、もっと早く読んでおけばよかったと思った。