笑の大学 2023年度版

ごきげんよう

 

 

2023/2/24

 

 

舞台を見た。

 

 

タイトル

笑の大学

会場

PARCO劇場

 

 


笑の大学を見るのは初めてで、初演は1996年の作品だそうだ。

今回は、瀬戸康史さんと内野聖陽さんが演じる2023年度版を呼ばれるものを見た。

 

 

 

昭和15年。戦争への道を進んでいる日本が舞台。
娯楽は規制されている。
瀬戸さん演じる椿は劇団「笑の大学」に座付作家で、内野さん演じる向坂は検閲官。
検閲官は心の底から笑ったことがなく、笑いや演劇はこのご時世に不謹慎だと考えているため、椿の台本に無理難題を突き付けて上演をできないようにしてくる。
椿はなんとしても上演したいため、検閲官・向坂の要求に応えながらも笑える台本を作るため、毎晩書き直してくる。
そんな毎日が続き、だんだんと両者が台本直しに夢中になっていく。

 

 

 

私は瀬戸さんの舞台での演技が好きで見に行ったのだが、椿の笑いと演劇への熱量、椿の持前の変人さ、愛らしさがぴったりでとてもよかった。

内野さんは検閲官としての厳格さと向坂としての真面目さのバランス、さすがの貫禄だった。

お互いに心を開いているようで、立場もあるなかでのやり取りの距離感が絶妙だった。

 

二人芝居でワンシチュエーション、飽きることなくおもしろかった。

セットもシンプルだが、小さな部屋に見えるように遠近法が使われていて小説の挿絵の1枚のような不思議な魅力があった。

 

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劇場にあった撮影可能なミニチュア。

 

 

程よく張り詰めた空気から徐々に二人が打ち解けていく芝居姿と、笑い声がどんどん大きくなっていく客席がリンクして、少し切ない、やるせないようなラストに繋がっていく。

 

笑いって流行りもあったりするが、年齢や性別や時代を超えて笑えるものもある。

大衆に受け入れられる喜劇の戯曲はどれだけ時間をかけて考えて、隅々まで練られているのだろう。

笑の大学の開演前アナウンスは脚本・演出を手がける三谷幸喜氏が行っていてびっくりした。

収録ではあるが、開演前から客席を楽しませるような内容で良かった。

 

演劇って良いなと改めて思えるような心地だった。